受験勉強でやる気が出なくなった時のモチベーションの高め方!

【POINT1】やる気を引き出す、学年別受験勉強への取り組み方

受験勉強は、中・長期的な取り組みです。その期間を過ごす中でどうしても子供たちは目的を見失いがちになることもあります。最初はやる気はあっても中だるみし、やる気が失せてしまうこともあると思います。時間はすべての受験生に平等にあります。その時間を有効に使いながら受験へ取り組めばモチベーションも高まると思います。ここでは、やる気を引き出すためのポイントを学年別に見ていきます。

 

<中学1年生>

学力テストの志望校判定などを見て、まず自分の学力の位置を知ることが大切です。そのためには、受験情報誌やインターネットなどで色々な高校を調べ、自分の学力と志望校の偏差値などを比較し、その上で目標を作ることから始めます。だいたいの目標が立てられたら、次に1週間のスケジュールを立てることです。ここで重要なのは、塾での学習時間だけではなく、家庭での学習時間も含めて勉強のスケジュールを立て、それを生活習慣としていくことです。またこの時、課題などでわからない、できないことを後回しにしないという習慣を作ることも大切です。また、上位校合格を目指すのであれば、生活習慣の中で勉強の優先順位を他のことよりもより高くすることが大切です。そのことも意識し、スケジュールを立てて実行することが大切です。

<中学2年生>

中学1年生同様、スケジュールを立てて勉強することが大切です。学習内容については、新単元の学習だけでなく、過去の復習(1年生内容も含む)にも同時に取り組むことを意識しましょう。また、高校の文化祭などの機会を使って実際に高校に行ってみて、学校の雰囲気が自分に合うかどうかなど、肌で感じてみることも必要です。

<中学3年生>

受験までの1年間は、勉強中心の生活リズムに切り替えることが大切です。特に部活動をやっていたお子さんは、引退する夏以降の切り替えをスムーズに行うことがポイントです。また、高校の説明会や体験授業などにも積極的に参加してください。志望校選択の参考になるはずです。

勉強面では、行き当たりばったりの勉強ではなく、定期的に行われる模試を利用しながら、自分の苦手な部分を見つけ、よく考えて計画的に学習を進めるようにしましょう。

1・中2の時は受験まで時間があるので、まずは目の前の学習課題に取り組むことに集中させます。そして、定期テストの前後や、学期末などの節目に、志望校などの話をすることで受験を意識させます。テストで点数を取れなかったお子さんは次の課題を解決するモチベーションになり、点数の高かったお子さんは志望校をめざすモチベーションがより高まるはずです。このように、お子さんのモチベーションが上がる時期を見極めてお子さんと志望校について話し合うことが効果的です。

【POINT2】受験勉強の時にやる気がなくなってしまうパターンと対処法

次に、お子さんが勉強に集中することができない、いくつかのパターンとその対処法を見てみましょう。

①部活動にのめり込んでしまい、勉強の優先順位が下がってしまうパターン

もちろん両立できているお子さんは問題ありませんし、部活動に対して情熱をもって取り組むことは、これから先の人生に役立つことも多いはずです。ただ、他のトップ高をめざすお子さんは勉強に対してしっかりと情熱をもって取り組んでいるはずですので、部活動に打ち込んでいるお子さんがトップ高をめざす場合には、勉強にも部活動と同じくらいの情熱をもって取り組むことが必要です。また、どちらか一方だけに集中するより、両立ができれば、社会人になった時には幅広い活躍ができる人になることでしょう。

対処法として、まずは1週間の行動予定を立てて、毎日の時間の使い方を見直します。それでもなかなか改善されない場合は、部活動をいったん休んだり、辞めることも視野に入れて考えてみましょう。

前述したとおり、受験に対してしっかり情熱をもって取り組まれたお子さんと、部活動の傍らちょっと勉強をしてきたお子さんとでは、目標へ向かう意識が違います。その意識の違いが、高校受験での結果となって反映されることはよくあります。そういったことを理解して、どのように取り組むべきか、お子さんと一緒に話し合っていくことが良いでしょう。

②スマホ(ゲームやSNS)に時間を取られて、勉強の優先順位が下がってしまうパターン

まずスマートフォンを持たせる段階で、親子で約束事を決めてください。昨今は、誰もが何処でもスマホを利用する機会があり、当然、自宅で親御さんが利用するシーンもあると思います。その姿を見れば、お子さんもついつい一緒にスマホを利用してしまうことになります。昔から「子は親の背中を見て育つ」と言われてきました。お子さんの前でのスマホ利用は、親御さんとしても充分な配慮が必要なのです。

このパターンの対処法としては、「決められた勉強時間中はスマホを見ない・触らない」、「メールやSNSは夜何時まで」などのルール作りを行います。この時、親御さんも一緒にルールに参加することが必要です。お子さんだけに一方的に押し付けるのではなく、大人も一緒にルールを守るという姿勢を示すことです。

一方、どうしてもゲームやSNSなどが止められないといった依存症の気配があるお子さんの場合は、思い切って解約するという選択肢も考えてください。

③結果が出ずに、心が折れてしまうパターン

本人はがんばっているつもりでも、それがテストなどの結果に結びつかない時があります。これが何度も続くと、やる気がなくなってしまいモチベーションは下がり続け、やがて勉強自体を放り出してしまうこともあります。

そういった場合の対処法として、まずは丁寧に原因を探り、励ましながら勉強を続けさせることで、自信をつけさせることが大切です。

無理にトップ校を狙わせずに、本人が努力して届くレベルを目標にしてあげることがメンタル的にも良いと思います。そして、目の前の課題を解決することに集中でき、学力が向上し、1つ上のレベルを目指せるようになったらまた1つ上を目指す、といったステップを踏むことで本人のやる気にもつながっていきます。また、このタイプのお子さんは、実は正しく勉強をしていない場合があります。他のケースのお子さん同様に、1週間のスケジュールを聞いてみると、勉強に時間をそれ程割いていないケースが多いのです。結果が出ないのは、能力不足ではなく、学習量が少ないことだと気づかせてあげることで、やる気を取り戻させます。

どの学年、どのケースでも、スケジューリングが上手くできるかがポイントになります。ただし、中学生にとって全て自分でスケジュールを立てることは難しいため、塾やご家庭でスケジュールを見てあげることが大切になります。

【POINT3】やる気が出ないお子さんに親がしてあげるべきこと

一番重要なことは、親御さんが感情的に話さないことです。昨今、共働きなどで忙しくされていることもあり、親御さんにも時間の余裕がなく、勉強をやらないお子さんに対して感情的になってしまうケースもあると思います。そんな時はいったん冷静になって考え、あとでしっかりと膝を交えてお子さんから意見を聞き出し、一緒に考えてアドバイスをする時間を作ってください。そうすれば、実は勉強ではなく学校生活での悩みがあることや、勉強面でも具体的に何が解らないのかなどが明確になったりします。また、その際には、まずは話しを聞いてあげるということが大切であって、全てにちゃんとした正解を出せなくても良いと思います。お子さんの現状を理解してあげることを意識してください。ただし、理不尽な言い訳や悪いことがあればしっかり指摘して、改善を約束させる必要はあります。そこは甘やかす必要はありません。そして、話をした後は、必ず経過を観察し、その都度ほめたり注意したりしてあげてください。

【POINT4】高校受験を意識したら…

生活習慣の中での勉強の優先順位を、お子さんだけではなく親御さんなど大人も協力して上げていくことが必要です。本人まかせにするのではなく、周りからもアドバイスしてあげてください。またその際には、学校の授業に対する向き合い方も重要です。以下の点を一緒に見直すようにしてください。

  • 学校の授業をきちんと聞く
  • 授業中に積極的に発言できるようにする
  • 提出物は期限通りに丁寧に仕上げて提出できるようにする
  • 学校の先生と積極的に話ができるようにする

次に、「自分で苦手を見つけ、それを克服する力」を身につけることです。日々の学校の宿題や小テストだけでなく、前に学習した内容を忘れていたり、理解し切れていなかったりするところを復習する習慣を作ることです。せっかく小テストで合格し、学校の定期試験できちんと結果を残せても、あとで忘れてしまっては高校受験では通用しません。目安として、週に最低1日・1時間は学校の提出物や塾の小テストの勉強以外の弱点ふり返りの時間を作るようにしてください。こういった習慣づけを、学力テストや模擬試験の直前だけでなく、日頃からコツコツと行うことが大切なのです。

黄学館では、高校受験までのスケジューリングから、日々何をすべきかの指針を明確に打ち出していますので、それらを通塾しながら身に着けることができます。同時に、
塾の授業→宿題→小テスト→学校の授業→試験対策→試験対策の復習→定期試験
というサイクルをしっかりとくり返すことで、高得点の獲得につながるように指導しています。日頃の小テストや定期試験で高得点を積み重ねるために、日々学習方法を考えながら学ぶことが重要です。そういった習慣をつける中で、苦手を克服できるようになれば、受験勉強のコツが徐々に分かってくるはずです。そして、志望校合格へのやる気がだんだんと上がってくるでしょう。
そして私たちも、少しでもやる気を見せるお子さんに対して、もっとやる気になるよう、真剣に向き合っていきたいと考えています。