神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校 受験体験記 PartⅢ

【エピソード#1】小学6年生から始まった反抗期が、中学になっても成績に悪影響を与える。

もともと基礎学力はある子でしたので、高校はトップ校を目指せると思い、黄学館に入塾させました。小学校5年生の春のことです。その頃までは普通に学校に通っていたのですが、6年生になって反抗期が始まり、中学になってエスカレート。学校生活や勉強にも影響が出はじめたのです。その時の成績はオール4にも届かないという状況でしたので、「このままトップ校はあきらめなければならないかも」と本当に心配が続く毎日でした。

そんな状況でしたので、親子の距離はどんどん離れていき、家で勉強や進路について話をすることもできなくなってしまったため、黄先生に電話で何度もご相談させていただきました。先生は熱心に話を聞いてくれただけでなく、子供との間に入って積極的にコミュニケーションを取ってくださいましたので、それが本当に助かりました。

[塾長からのコメント]

母様から連絡をいただき、本人からも話を聞いて対策を練りました。当初は、生活態度が悪く、学校の成績(内申)もとにかく悪いので、ことあるごとに内申点の大切さを本人に説明し、理解させるようにしました。
神奈川県の高校受験では、私立高校の併願(滑り止め受験)はほぼ学校成績(内申点)で合否が決定します。学校成績が振るわなければ、併願可能校のランクが下がり、ひいては当然公立上位校へチャレンジする際にリスクをとりづらくなり、公立受験校をワンランク落とさざるを得なくなります。また、内申点1点は公立入試当日の2.2点分にあたりますので、仮に本人の内申点が116点で他の子が126点の場合、10点の内申差は入試当日の22点分の差になるため、他の子より受験時の点数を稼がなければならなくなります。ですから、学校生活もしっかり取り組むよう、何度も話をしました。
同時に、そんな状況のお子さんでしたが部活動には熱心に取り組んでおり、それをひとつの突破口にしてモチベーションを上げることも考えました。

【エピソード#2】学校での評価と塾での評価の違いが、唯一の救いだった。

学校では悪い態度を取っていた本人ですが、塾は楽しそうに行くこともありました。
学校の場合、先生は当然、学校生活から学習までのすべてを見ていくため、学力以外の悪い部分が目立つと全体の評価が下がることになります。その一方、塾の場合は、出来るだけ本人の良いところはないかと意識してみてくれて、学習で成果を上げた時は褒められることもあったようです。
本人としても、学校では自分を評価してもらえないが、塾では良い部分は評価してもらえるということに加え、黄先生が悩みごとまで熱心に聞いてくれたため、メンタル面でも良かったように思います。

恥ずかしながら親からすれば、黄先生に子どもとの間に入っていただき、コミュニケーションをしっかり取っていただいたことが結果につながったのだと思います。黄学館に通ってなければ、もっと成績も下がり本人の生活態度も荒れていたと思いますし、他塾に行ったとしても、おそらくそこまで面倒を見ていただけないことを考えると、本当に黄先生には感謝しています。

[塾長からのコメント]

中学校生活の中頃、あまり勉強に熱心に取り組まないグループに流されて塾に来なかったことがあり、すぐお母様に連絡をして話し合いました。そして、次に来なかったら退塾させるということを伝えると本人も反省したため、その後は塾をサボることはなくなりました。退塾させられるかもしれないことは、本人にとってはかなりショックのようでした。そして、それをバネにできたためか、その後塾での小テストもきちんと取り組むようになりました。
反抗期の中学生を指導するのはなかなか難しいです。私たちも日々考えながら取り組んでいます。ただ、はっきり言えるのは、いいときはきちんと誉め、悪いときには遠慮せずきちんと子どもたちと向き合うことだと考えています。時には厳しい指導になるかもしれませんが、なぜいけないかをきちんと伝え、本気で本人のためを思って指導すれば、きっと分かってくれると信じて指導しています。

【エピソード#3】部活動を続けることが、高校受験のモチベーションとなる。

高校受験を意識しだした最初の頃は、本人が熱心に取り組んでいる部活動が盛んな別の高校に行きたがっていたのですが、緑ヶ丘高校も同じ部活動が盛んだということを知って緑ヶ丘高校を目指すことにしました。学校の成績は振るわなかったのですが、好きな部活動を続けるということが受験勉強のやる気につながっていたのだと思います。そのあたりのことは面談や電話で塾側にもお伝えし、話し合いの中で本人の意志を聞きながら、学習を進めるにあたってのご配慮をいただきました。

[塾長からのコメント]

高校でも同じ部活動を続けるということが、本人の一番のモチベーションになっていたと思います。そして、緑ヶ丘高校でも同じ部活動を続けたいのなら、学校の成績が大切だということを言い続けました。おそらく本人は、テストで点を取れていれば良いのだろうと考えていたのでしょうが、内申の重要性とそのために学校生活も大切だということ教え続けたのです。また、偶然私も緑ヶ丘で同じ部活動をしていた経験があり、そこからの助言も活かせたように思います。

【エピソード#4】熱心な塾での対応により、難しいと思っていた緑ヶ丘高校に合格!

熱心なご指導により、中学3年生になってからは受験勉強に真剣に取り組むようになりました。ただ、塾からは、「学校の成績から考えると緑ヶ丘高校の受験にはかなりリスクがある」との話もうかがっていました。確実に公立高校に受かるにはワンランク下げる方法もあるとのアドバイスもいただきましたが、最悪、公立高校がダメだった場合は私立高校でも仕方がないと親子ともに納得して、緑ヶ丘高校を第一志望として選びました。直前の特色検査対策でもあまり結果が良くなかったため、かなり不安はあったのですが。

ちなみに、私立は鎌倉学園を受験しました。鎌倉学園は3年生の成績だけで合否評価をしていただけるため、3年生の成績は比較的良かったことと、主要5科目をベースに判断をしてくれるということで本人に合っていたのだと思います。その結果、こちらも無事に合格しました。

塾からは「かなり厳しい」と何度も言われていましたが、緑ヶ丘高校に合格できて本当に良かったと思います。黄先生が、親身になって相談に乗っていただき、的確なアドバイスをしていただいたことが一番。学校生活では問題があったわけですが、学校とは違った側面で子供を見てくれたことが良かったのではないかと思います。

[塾長からのコメント]

緑ヶ丘高校を第一希望で受験に臨んだわけですが、予想問題や過去問での仕上がりはまあまあでしたが、内申点が合格者平均より低く、合格の可能性はかなり低いと感じていました(緑ヶ丘は内申の高い受験生が多い)。また、当日の受験結果も、自己採点での点数が塾で予想していた合格ラインに届いていませんでした。ただ2日後に行われた特色検査では、100点中80点を上げていて、おそらく受験者の中でもトップレベルの得点を獲得できたため、合格につながったのだと思います。最後の最後の集中力は見事で、よく頑張ったと思います。
いろいろ問題はありましたが、本人の全てを否定していては伸びないため、認めるべきところは認め、違うことは違うとブレずに指導したことで、成長してくれたのだと思います。特に3年生になってからの成績向上が、本人の成長を表していると思います。
ちなみに入試における選考値の得点配分は、緑ヶ丘高校の場合、合計1200点のうち入試が500点、特色検査が200点、面接が200点、内申が300点です。開示得点データから見て、面接ではあまり差がついていないことを考慮に入れると、入試と特色検査の点数は重要だということがわかります。このお子さんは、結局内申点が合格者平均内申まで届きませんでしたが、1200点の中から差がつかない面接の200点を除いた1000点中 500+200=700点分の入試本番と特色検査で逆転できました。最後の最後にめいっぱい集中して何とか間に合って合格できた感じです。このような逆転例もありますが、やはりきちんと内申と入試の得点力を、両方とも引き上げられるようにすることが大切なのは言うまでもありません。