定期テストで点数を上げられる子ーその勉強法とは?

1.定期テストで点数を取れる子は、やるべきことが整理されています。

1-1.まず、試験範囲表をしっかり見ています

ある中学校の定期テストでのことです。点数が取れている子と取れていない子とで二分されたことがありました。点数を取れた子に、「どうして点数が取れたのか」と聞いてみたところ、学校のワークから出題された問題が多く出たからだと話していました。試験範囲表にワークをしっかりやるように書かれていたので、ワークを使って(徹底的に)勉強をしていたからとも言っていました。

一方、点を取れなかった子は、そもそも試験範囲表をきちんと見ていなかった傾向がありました。テストで出題される範囲を学校の先生が説明してくれていたのに、ちゃんと聞いていなかったのです。(通常、定期テスト前は先生がしっかり範囲を提示してくれます。)

学校から配られる試験範囲表には、科目ごとに細かく復習すべき項目が書かれているため、それらを1つずつ確認しながら勉強を進めていくことができるはずです。ただ、塾に通っているお子さんの中には、塾の先生の言うことだけを聞いて、試験範囲表を全く見ない子も時折います。塾側でも同じ試験範囲表を参考にして対策をしているため、おおよそズレなく対策できるのですが、先に述べたように力を入れて勉強すべきポイントを把握せずに失敗する場合があります。また、試験範囲をしっかり把握していないと、自分が学習できたところとできていないところのチェックができません。そのため、試験範囲全部の勉強をし終えたかどうかの確認も甘くなってしまいます。

1-2.やるべきことを整理して、わからないところを復習しています

定期テストでよい結果を出している子は、試験前にやるべきことが整理されています。黄学館では、試験前にやるべきことを塾生に説明し、きちんとやり切るようにアドバイスしています。具体的には、学校から配られているワークや学校の授業中のノートとプリント、そして教科書をよく復習することを指示し、それらがきちんと定着しているかを確認するために予想問題を解かせたり、塾のテキストを解かせたりしています。その後、予想問題やテキストで見つかった弱点を再び学校のワークやノート、教科書で復習するように指導しています。

定期テストは基本的に出題範囲が狭いため、学校の授業をしっかりと聞いていれば点数が取れるはずです。さらに、わからないところや解けない問題などは、ワークを使ったり、教科書や先生が配ってくれたプリントやノートをみたりすれば、解決できるはずなのです。塾に通っていてもいなくても、自らやるべきことをきちんと整理できていて、その中で苦手なところを見つけて、そこを重点的に復習していくやり方が分かっている子は点数が取れるものです。

一方、手当たりしだい問題に取り組んだり、ただ教科書を眺めるだけで勉強した気になってしまう子は点数が取れません。何をしたら良いかを考えず勉強をしていると、テスト勉強の期間にやるべきことを消化できず、その結果点数に結びつきません。やることを把握しないで仕事に向かい、結果として成果が上がらない人と一緒だということです。点数を取れる子は、やるべきことが自分の頭の中で整理されています。テスト範囲を見て、自分が理解できていないポイントをチェックしながら勉強しているため、点数が取れるのです。言い換えれば、定期テスト向けの勉強方法を知っていて、点数の取り方を知っているのです。ただ、中学生でそこまでできる子ばかりではありません。そのため、まだできていないお子さんは塾に通ってやり方を学んでいくということもおすすめしたいと思います。

2.定期テストで点数を取れる子は、情報収集がしっかりできています。

2-1.授業の話を聞くことが、情報収集の第一歩

定期テストで点数を上げられる子は、しっかりと情報収集ができています。これはある学校で実際にあった話ですが、教科書の中で通常は太字のところをベースに本文を読んでいけばテストはできるものですが、本文から離れた小さなコラム的な場所にある情報が出題されたというケースがあります。ただ、このような場合は学校の先生も「ここはテストに出ます」と授業の時に必ず話をしているはずです。

先生が何も言わずにそのような部分をテストに出すことはありえないため、授業での話をしっかり聞いて、どのあたりが出題されそうかを考えながら、しっかり情報収集することが重要なのです。

2-2.次に重要なのは、分析力

定期テスト後も復習をしっかりして、できなかった問題が教科書のどんなところから出題されていたのかを把握する、できる子はそういった出題傾向を分析する努力をしています。その分析を通して、「次はこの部分までしっかり教科書を読んでおこう」とか、「この科目はノートを細かく取っておこう」とか、「先生が強調して説明したことを書き止めておこう」などの対策をしながら改善をしていくため、次の定期テストでは点数が取れるようになるのです。特に担当の先生が変わったりした時には、返ってきたテストなどを見返して出題傾向などを分析すれば、次の定期テストで良い点数が取れるようになります。

定期テストで点数を取れる子は、情報収集がしっかりできています。

3.定期テストで点数を取れる子は、計画性があります。

3-1.スケジュール立ての訓練をしています

出題範囲が出た時に、やるべき項目ごとにどの位の時間と労力がかかるかを考えれば、テストの日から逆算してテスト勉強のスケジュールを立てることができます。

このスケジュール立てをするためには、訓練も必要になります。例えば小学生の場合は定期テストがないため、このようなスケジュール立てはできません。しかし、学校の宿題や塾の宿題などがある場合に、他の習いごとや遊びの時間などを考えながら、1週間の予定を立てるということはできるはずです。例えば、月曜日は算数、火曜日は習い事、水曜日は国語など、曜日ごとにやることを決めると、スケジュール立ての訓練ができます。そうすれば、中学生に上がった時には普段の学習もそうですが、定期テストのスケジュールを立てることも上手になります。

そして中学に上がったら、定期テストでは、試験範囲表が出る2~3週間前から出題範囲を予測しつつ勉強をしていくようにして、出題範囲が出たらその段階でもう一度、どの範囲にどの位時間がかかるかを考えてスケジュールを立てていくようにします。

3-2.繰り返し学習を入れたスケジュールも重要です

例えば黄学館に通っているお子さん達は、塾の授業→宿題→小テスト→学校の授業→試験対策→試験対策の復習→定期試験というサイクルをしっかりと繰り返すことで、定期試験で結果を出しています。

この繰り返しが受験勉強にも活きてきます。受験に関して言えば、出題範囲が広く受験までの期間も長いため、定期的に過去に学習した内容を繰り返し復習することが大切になります。適切なタイミング(学校の定期テストや塾の学力テスト・模擬試験)で過去の学習を繰り返すことが、受験での成功にもつながるのです。

定期テストで点数を取れる子は、計画性があります。

4.定期テストで点数を取れる子は、何度も確認します。

4-1.何度も確認する勉強法とは

定期テストで点数を上げられる子は、何度も確認しながら勉強をしています。できない子の場合は、ノートと教科書をただ眺めているだけで勉強をしている気になっているものです。勉強をしなさいと言われて嫌々勉強をしている子によく見られるケースです。もちろんこのやり方では、テストで点数を上げていくことは難しいです。

一方、点数を取れる子は、ノートと教科書を見て、ワークや予想問題で演習をしながら、間違った部分がなぜ間違ってしまったのかをきちんと追及します。「ちゃんと自分で納得できているか」、さらに「人に説明できるまで理解できているか」というところまで考えて勉強をしています。しかもその過程で、できていないのは「ちゃんと暗記していないからか?」「応用問題ができていないからか?」などを分析していきます。暗記ができていない場合は暗記をし、応用問題ができていない場合は、正しい解き方と自分が躓いたポイントをよく比較し、気をつけるポイントを見つけ、それがきちんと通用するかどうかを確認します。例えば、自分が間違えた問題と類似した問題を学校のワークや塾のテキストから探して、自分なりに考えながら解いていきます。そういった繰り返しをしていきながら、試験範囲で学習すべき内容が完璧になるように目指していくのです。

5.まとめ。

①やるべきことが整理できている

②しっかりと情報収集できている

③スケジューリングが上手

④確認を怠らない

の4つをきちんとできるお子さんです。

しかし、一番大切なのは、勉強に対するモチベーションが高いことです。上位の学校に合格したい、他の子より良い点を取りたい、自分ができなかったところをできるようにしたいなどと思っているお子さんは、当然色々試行錯誤し、その中で上記のような勉強を続け、その結果点数が取れるようになっているものです。ただし、モチベーションを高めるためには、本人だけではなく、親・学校の先生・塾の先生など大人の協力も必要です。(モチベーションの高め方に関しては、当塾のブログ内の[受験勉強でやる気が出なくなった時のモチベーションの高め方!]も併せてお読みいただければと思います。)

父兄の方がお子さんの勉強を見てあげる時に注意していただきたい点は、最近の問題の傾向として、数学(算数)・理科・社会などでも国語力を求められる要素が多くあるということです。ご自身が子供の時にやってきた問題よりも複雑になっているため、答えを求めるよりもプロセスを大事にして問題を解いていく必要がありますので、そういった違いを理解されておくことも必要です。

1つ1つ理解できているか? できていなければその箇所を理解できるようにする―この反復学習がとても大切になります。この反復学習をお子さんが意識して続けていけば、必ず受験勉強でも大きな力となるでしょう。

1回1回の定期テストでしっかり身につくように頑張りましょう!