トップ高校を目指す時にすべき親の役目

1.受験勉強における親と子の関わり方

1-1.勉強への親の関わり方

子どもの勉強を親が見守ってあげることはとても重要です。ただ、受験では子供自身が自分で考えて勉強方法や自分の苦手な部分を判断しなければならないため、あまり親が深く関わりすぎてしまうのはよくありません。親が全てを管理してしまうと、自分で判断することが必要な時でも子供は親を頼ってしまい、自分で考えなくなってしまうためです。ですから、まずは子供の自主性を尊重し、子供が困っている時にアドバイスしてあげることが、親の関わり方として大切なポイントです。例えば、勉強のスケジュールの立て方が分からない時や、勉強する中でわからない箇所がある時などには、親の一方的な上から目線ではなく、子供と同じ目線で一緒に考え、最終的には子供が自分自身で答えを出せるように導いてあげることが望ましいのです。
もうひとつのポイントは、子供のモチベーションを上げるような接し方ができるかどうか、ということです。目の前の受験問題を解くことも重要ですが、受験までの長い期間の中で「どうして勉強をしているのか?」「どうして受験をするのか?」「高校に入ってから何をしたいのか?」など、子供が目的を見失いそうになった時に、上手にアドバイスしてあげられるかということです。高校受験は、将来、社会に出るための訓練でもあります。その将来を見据えた努力が必要であることをしっかりと説明できるか、ということが親としての役目なのです。そして、そこから「本当に子供の将来に合った高校はどこなのか」が見えてくるはずだからです。

 

1-2.勉強以外での家庭での関わり方

勉強以外で大切な家庭での関わり方ですが、最も重要なのは会話をするということです。会話をすれば、子供の学校や塾での状況、さらには抱えている悩み事などを把握することができるからです。同時に、家庭で話をするということは、学力を伸ばすことにもつながります。(詳しくは、高校受験ブログ[子供は語彙力を高めると学力が伸びる!?【小学4年生編】]でご覧いただけます。
普段の生活の中でも、勉強に役立つことは沢山あります。テレビや新聞などでの話題をもとに、子供に意見を聞いてみたりすることも国語や社会などの学力向上につながります。その時、子供は全てに答えることができないかもしれません。そして、子供がそのことに対して逆に質問をしてきた時に、親がていねいに対応してあげることが重要なのです。「そんなこともわからないの?」「面倒だから自分で調べなさい!」などと対応するのはよくありません。上から目線ではなく、一緒に考えてあげることが重要なのです。また、万が一答えてあげられないことがある場合は、「先生に聞いてみようか?」と学校の先生や塾の先生に質問するなどの対応策を教えてあげることも必要です。そういった親の姿勢を、子供はしっかり見ているものです。分からないときは、どうすれば分かるように解決できるのかを見せてあげることで、子供も同じように行動するようになります。
会話をきちんとていねいに続けていけば、きっと親子間の信頼関係が生まれ、あれこれと言わなくても子供は自ら行動するようになります。ただ、子供は時として、甘えや面倒くさいなどを理由に行動しない時があります。そんな時はしっかりと注意することも大切です。また、親も人ですから、自分の忙しさや思い通りにならないような時に、子供に対して感情的になってしまう場合もあると思います。「少し感情的に注意してしまったな」と感じたら、後で子供に謝るなど、フォローをすることが大切です。これも親子の信頼関係を築くための大切なコミュニケーションなのです。

2.進路について

2-1.親子で考える進路

親子で高校の進路を考える時のポイントは、まず「学校のレベルが子供に合っているかどうか?」「無理な目標設定をしていないかどうか?」ということです。その次に、「通いやすさ」があげられます。3年間という長い期間を通うわけですから、子供といえども長時間の通学では心身ともに疲労してしまうことが考えられます。そして、そのような状況では、子供は大学受験や部活動などに集中することができず、せっかく高校受験を頑張ったのに将来に向かう次のステップに支障が出てきてしまうことがあるからです。
同時に、その高校から各大学への進学実績を調べてみることも必要です。前述したように、子供が将来「何をしたいのか」でめざす大学も変わってくるわけですから、その高校からどの程度、めざす大学の合格者がいるのかを把握していくことが大切です。また、部活動を高校でもやりたい子供の場合は、その部活動のレベルなどを把握しておくことも必要です。重要なのは、将来の目標を親子で話し合い、逆算してどこをめざすべきなのかを考えていくことなのです。そのために、実際に学校見学に訪れたり、インターネットの口コミなどを見て親子で話し合ってみたりすることをお勧めします。(ただし、インターネットの口コミは、書き込んだ人の主観が入るため、全てを鵜呑みにしないようにしてください。)
ただ、中学生の段階において将来のビジョンまで描けている子供は、それほど多くはないと思います。したがって、「学校のレベルに合っているか?」「通いやすいか?」という点を中心に、子供との話し合いを通じて、どこをめざすのが良いのか、親が導いてあげる必要はあります。
さらに、次のようなケースも考えられます。例えば「将来、プロ野球選手をめざしたい!」と子供が話したとき、親としては「今の状況で難しいのではないか?」と思ったとしても、決して頭ごなしに否定をしないでください。そしてこの場合は、話し方がとても重要になってきます。大人としての経験値から話すことでわかってもらうようにするのもひとつですし、出来るところまでやらせてみるものひとつだと思います。要は、親子でしっかり話し合い、ご家庭の方針として方向性を決めることが重要なのです。また万が一、家庭だけで解決が難しいと感じた場合は、学校や塾の先生などにサポートを仰ぐのが良いと思います。どちらにしても子供が目標を持つことは良いことです。ただ、あまりにも無謀な目標の場合は、子供がどのように考えているかを尊重しながらも、ていねいな説明を心掛け、話し合いの中から子供が最善をめざせる将来へと導いてあげてください。

 

2-2.学校と学習塾での進路を考える

これまでも述べてきたように、高校受験では、学校の内申点が良くても合格できる訳ではありません。内申点は学校の先生がつける絶対評価であり、先生の心象が評価に影響する場合があるため、内申点が高いからといって、必ずしも実力があるということにはならないからです。
同じことは、学校の先生の意見を参考にして進路を決めていく上での留意点にもなります。仮に子供に実力があったとしも、先生の持つ印象があまり良いとはいえない場合、そのことが受験校を決める面談時に影響を与えないとも限りません。また逆に、実力があまりなくても印象が良く思われている場合は、高めにつけられた内申点を基に実力に合わない受験校を勧められないとも限りませんので、それはそれで注意する必要があります。
神奈川県の高校受験では、試験・特色検査・内申点の3つの要素で合否が決まってきます。その内訳は、学校によって異なりますが、多くの上位校は試験50%・特色検査20%・内申点30%となります。この数字をみてもお分かりのように内申点が良いだけで合格は保証されません。トータルバランスを考えて受験に取り組むことが重要になってくるのです。
黄学館では、子供の受験校を決める時の判断基準としてまず、上記のバランスがどういった傾向にあるのかを見ます。一般的に、内申とテストのバランスが良い子は公立向きで、内申は良いが試験は苦手な子は私立専願向きと考えられますが、高校によって何を重視するのかが違い、選考基準が違うわけですので、そこは本人の希望と現状をしっかり見極め、将来の進路まで含めて指導するようにしています。
さらに、個別面談などを重視し、保護者の皆さんとも密接なコミュニケーションをとることで、お子さんの状況に応じた指導を行っています。(受験の取り組みについては高校受験ブログ[ここがポイント!神奈川県TOP校の高校入試対策!]で詳しく述べています。ぜひ、こちらも併せてお読みください。)

3.高校受験までの取り組み方

3-1.高校受験までのスケジュール

これまで二十年以上にわたって高校受験を見てきたなかで、成功したケースを基に受験までのスケジュールはおおよそ以下の通りとなります。
■小学校高学年
小学6年生になったら、高校の文化祭に行ってみるのが良いと思います。そもそも高校とはどのようなところなのかを知っておくことに損はありませんし、早い段階でその学校の雰囲気を肌で感じてみることも大切です。できれば、いくつかの学校を見学されることをお勧めします。

■中学1~2年生
中学に入ったら、受験志望校について少なくとも年2回程度、通知表をもらってきた段階や模擬試験の結果を見ながら話し合ってみることをお勧めします。また、中学1年の後半からは、日頃の学習に加えて模擬試験の結果から苦手な箇所を復習して克服していくという学習が大事になってきます。学校成績だけではなく、模擬試験での結果を重視していきましょう。

■中学3年生
中学3年になったら、自分の偏差値より少し高い高校から少し低い高校までを見学し、実際に受験する学校を決めていくことが大切です。そして、受験直前までどこに出願するかをしっかり検討しましょう。見学する学校があまりに少ないと、受験直前に出願倍率や自分自身の得点力から、志願を変更せざるを得ない場合に非常に困ります。また、学校成績から選択できる私立の併願校の見学も忘れずに行うようにしましょう。学習面では、定期試験での得点や内申点の獲得についてはおおよそできてきていると思われるので、1~2年で学習した内容の総復習を前期から行いましょう。入試直前では絶対に間に合わなくなりますので、できれば夏休み中までに全て理解できている状態にすることが必要です。黄学館では、中3夏期講習において理科・社会の1~2年の学習内容のまとめ講座を行い、9月以降の模試得点力アップを目指していきます。

 

3-2.高校受験直前の時間の過ごし方

中学3年になったら、受験までの1年間を勉強中心の生活リズムに切り替えることを心がけましょう。特に部活動をやっていた子供は、引退する夏以降の切り替えをスムーズに行うことがポイントです。また、高校の説明会や体験授業などにも積極的に参加するようにしてください。志望校選択の参考になりますし、受験生としての自覚を高めることにもなるからです。
勉強面では、行き当たりばったりの勉強ではなく、定期的に行われる模擬試験を利用することがカギとなります。模擬試験に取り組んだ後で、その結果を見ながら自分の苦手な部分を見つけ出し、とにかく課題となったところを復習していくことです。一方、色々な問題集をただひたすら解いていくだけの勉強方法は、あまりお勧めできません。解くからには、自分の苦手な部分を意識し、間違えたときになぜ間違えたのかをしっかり復習しながら進めていきましょう。
受験では、どの範囲が出題されるか分かりません。できなかったところを復習して原因を究明し理解することで、解ける範囲が広がり、受験で高得点を獲得できることになります。下記の図を参考にして計画的に進めるようにしましょう。(詳しくは[受験勉強でやる気が出なくなった時のモチベーションの高め方!]をご覧ください。

4.最も大切なことは…

今回は、受験の時に保護者の皆さんが「どのようにお子さんと接していくのが良いか」という内容でしたが、最も大切なことは、受験だけに関わらず、日頃からお子さんとしっかりコミュニケーションを取れているかどうか、という部分だと思います。
中学生は多感な時期でもあり、小学生の頃とくらべて親との距離感も少しずつ変わってきます。生意気な口をきいて親を困らせることもあると思いますが、心のなかでは、初めてのことに不安を感じながら親のアドバイスを欲しいと感じているはずです。だからこそ、日頃からコミュニケーションを取って信頼関係を保ち、時には真剣に、時には笑いながら、お子さんの将来を考えて一緒に受験に取り組んでいくという姿勢が大切なのです。また、そうすることで将来、お子さんが社会に出たときに、同じように周りの人たちとコミュニケーションを取りながら家族の問題や世の中の問題を解決できる人間になっていくことと思います。
黄学館は学習塾ですが、学習を通して将来自立できる人間を育成することを目標にしています。それには私たちだけではなく、ご家庭での取り組みがとても大切になってきます。小学生・中学生は大人がしっかりフォローしてあげなくては自立できません。お子さんが真に自立できる人間となるために、ご家庭と黄学館で一緒にサポートしていきましょう。